初速と飛距離とエネルギーの話
 
     
 

E.S.Fでは電動ガンやハンドガンのレギュレーションに1J(ジュール)という制限を設けています。

弾速計で100m/秒以内でギリギリの数字が出たら大体1Jに収まっていると言う事なのですが、 もうちょっとこのへんを考えてみましょう。

●J(ジュール)の算出方法


J(ジュール)とはBB弾の初速(銃口から発射された瞬間の最大速度)の2乗×BB弾の重量÷2で求められます。この数字は一体何なのかというと、早い話がBB弾1発が持つエネルギー量です、当たるとどれだけ痛いかというとわかり易いですね。当然遅い弾より速い弾の方が当たると痛いし、同じ速度なら軽い弾より重い弾の方が物理的にエネルギーが乗ります。

:0.2グラムBB弾を初速99メートル/秒で撃つと何Jですか?
:0.0002(Kg)×99(m/s)^2÷2=0.9801(J)

もうお分かりでしょうが、0.2gBB弾で計測した場合に100m/秒以内が1J以内です。0.25gのBB弾で1Jの初速を求めてみましょう。

0.00025(Kg)× χ^2(m/s)÷2=1(J)
χ =89.442(m/s)

という訳で、弾速計(小数点以下第2位まで表示型)の表す数字は以下のようになります。

0.2gBB弾使用時のレギュレーションギリギリ
メートルの場合 99.99 m/sec
フィートの場合
328.07 ft/sec
0.25gBB弾使用時のレギュレーションギリギリ
メートルの場合 89.43 m/sec
フィートの場合 293.43 ft/sec

※(1メートル=3.28084フィート)
※小数点以下第3位の処理方法が不明なので切り捨てました。(有名なCHRONY等の弾速計ではおそらく単なる非表示なので、100.00と表示された場合100.000〜100.009の可能性がある)

では実際に東京マルイの電動ガンはノーマル時に何Jなのかというと、製品ロットや「アタリ」「ハズレ」によりバラツキがありますが、おおむね0.7〜0.8Jくらいとされています。

参考:実銃のエネルギー
競技用エアライフル=(テルテル坊主弾)=7J
ベレッタM92FS(9ミリパラ)=550J
コルト44マグナム=1300J
M16A2(5.56*45)=1600J
AK47(7.62*39)=2120J

さぁこれで1発のエネルギーが分かりました。とことんまでカリカリにチューンして弾を遠くに飛ばす銃を作ろうと思った方、ちょっとお待ち下さい。何もこの数字=飛距離では無いというお話をします。

●遠くに弾を飛ばしたい

ピンポン球とゴルフボールを両方同じ力で同じ人が思いっきり投げると遠くに飛ぶのはゴルフボールだという事は想像に難くないと思いますが、BB弾でも同じです。逆にデコピン程度の威力でこれらを弾いた場合に遠くへ飛ぶのはピンポン球です。つまり銃のパワーには適正BB弾重量があるのです。BB弾はそのメーカーやロットによる品質のバラツキで微妙に表面処理の出来具合や大きさが異なります。特に出来が最悪なのがマ○イやエ○セ○のバイオBB弾です(こういう事言うと世間から怒られそうなので、使うなという意味では無いとだけ言っておきます)、この弾は製品のバラツキが酷く、大きさもまちまちです。これでは遠くに飛ぶ以前の話で、番場蛮の分身魔球宜しくまっすぐ飛びません。ホップのかかり具合も違いますし、バレル内抵抗も違いますから、着弾地点がバラバラです。こんな弾を使ってスナイパーを語るのは如何な物かと。

で、結論を言いますと「やってみろ」 と言わざるを得ません。
話になっていませんが、一つの計算式では求められないというのが現状です。一応推奨する重量として0.8J〜1Jの銃には0.25gのBB弾、それ以下の銃には0.2gBB弾が遠くへ飛びやすいという事だけ経験則からお話ししておきます。それとバレル内はピカピカに清掃しておかないと遠くへもまっすぐも飛びませんよ!キズやゴミが抵抗になり弾道も不安定になります。お前らバレル磨けと日頃から言ってますが兵隊さん達は自分の銃の分解清掃くらい自分でやっています。プライドにかけて掃除しろ!当てたいだろ?な!たのむから!

●ワンホールショットがしたい。

BB弾ではデューク東郷さんや冴羽リョウさんでも無理と思います。(注:本人に聞いてみないと分かりませんが) ちょっとした風ですぐに弾が逸れます。というわけでグルーピングの話にします。理論上以下の条件が必要になります。

1.風に負けない(負けにくい)重量且つ、真球の弾
2.超高精度なバレル
3.すべての弾丸発射機構がセンターに集結
4.上記を踏まえた上で射手の腕

KM企画から出ているTNパーフェクトバレルという製品を想像した方が多いかと思います。内径がノーマルよりタイトで抵抗を減らすためにテフロン(T)&ニッケル(N)コーティングされています。しかし日頃から神経を使ってメンテしないとコーティングが剥げたり、すこしのゴミやホコリでたちまち不安定に陥りますのであまりサバイバルゲームにおすすめできません。またKM企画の説明には矛盾を感じざるを得ません。KM企画の説明にあるようにバレル内に弾が接触せずに浮いて発射されるのであれば内部鏡面コーティングの意味が理解不能です、サビ止め加工という事なら分かりますけど。という訳でノーマルのバレルを毎回掃除しとけという事です。この方がより安定した性能を発揮します。こういったカスタムバレルはシューティングの競技には良いのかもしれません。でもまぁこれも「やってみろ」の法則の前にあっけなく瓦解する可能性大ですけどね。カスタムバレルを否定する訳ではありませんが、ノーマルバレルに一体何の不満があるの?というのが正直な所です。

実際に狙撃狙撃と言いますが、これはゲームにおいてなにも一撃必中の事を指す言葉では無く、ロングレンジで初弾〜2発目、3発目における補正が確実に行える性能の銃であればそれが狙撃に適したライフルであり、一撃必中はボルトアクションライフルに任せておけば良いと思いますが如何でしょうか。それに1J程度のレギュレーション内、しかも0.25gBB弾ではボルトアクション(E.S.Fチーム内ではボルトアクションライフルの使用を作戦立案上問題があるので禁止しています)のメリットはかなり低いと言わざるを得ません。

※ E.S.Fでは対外試合の時に限りボルトアクション優遇措置で1.44Jまで認めていますが、チーム内にボルトアクションライフルを使う人は1人もいません。(シャレで持ってくる人がたまにいますがゲームでは使用しません)1.44Jの銃には0.3g近辺のBB弾が適していますがこれはレギュレーション違反となります。

ボルトアクションライフル、ショットガンのレギュレーション(1.44J)
0.2gBB弾使用時のレギュレーションギリギリ
メートルの場合 119.99 m/sec
フィートの場合
393.69 ft/sec
0.25gBB弾使用時のレギュレーションギリギリ
メートルの場合 107.32 m/sec
フィートの場合 352.12
ft/sec